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西原理人(にしはらまさと) 1977年生まれ。 高校卒業後、「京都嵐山吉兆」の門を叩き料理人としての道が始まる。
10年間の修行期間では料理は無論の事、それ以外の多くの事もここで学ぶ。
創業者である湯木貞一氏が日本料理を総合芸術の域にまで高めた功績に深い感銘を受け、華道、茶道、書道を学ぶ。料理人としての礎となる基本的な事、それに感性や心構えは吉兆で形成された。
京都には卓越した多くの職人が各々の分野で専心している。そうした方々のお力添えを受け、蕎麦打ちや作陶にも尽力し野菜に関しては京野菜伝統農家の14代目が作りだす野菜に出合い、土作りから学んだ。京都修行の後2年間を軽井沢にあった蕎麦懐石の名店「東間」で働く。ここでは季節観をはじめ風土、土地柄、歴史などの背景をもとに献立を構成し、その土地ならではの料理を自らの手で創造し提供するという喜びを知る。 2009年、京生麩の老舗「麩嘉」の7代目に見出されニューヨークで初となる精進料理店「嘉日」の初代料理長を任され3年の任期を務め上げる。
在職期間の2010年にはアメリカのRising star chefに選出、2011・12年度のミシュランNYでは2つ星を獲得、2012年にはスペインで行われる世界的な料理学会Madrid fusionから招待を受ける。その後、予てからの願いであった吉兆時代からの師と共に働く。その為にLondonへ渡り日本料理店「UMU」で3年を過ごす。海外で得た貴重な経験が、現在の西原の料理に大きく影響を与えている。 海外から日本へと料理を表現する場を移し、選んだ場所が日本最古の都、奈良である。 古の文化と雄大な自然とが渾然一体となっており、シルクロードを伝い異国文化を取り入れながらも日本独自の感性を表現している。それは西原の目指す料理哲学と一致した。